
近年、DIYとして設置が可能なスイッチボットやセサミロックを代表とした「スマートロック」や錠前メーカー各社が展開している電子錠の設置が非常に多くなってきています。
特にスマートロックについては、ネット通販で購入が可能で、ユーザーが自身で設置するという特性上、我々のようなカギ業者の知らないところで爆発的に普及をしています。
その中で、設置のハードルになっているのが、「45度でガード機能が使える錠前」・「モーターユニットが組み込まれたツマミ」の存在です。
今回は、そのようなツマミが使われている場合でも、プロのフォローが入ることで設置が可能になる、ということを紹介いたします。
「45度でガード機能が使える錠前」とは?

「45度でガード機能が使える錠前」は「ガードアーム錠」(MIWA GAF錠やGOAL GG錠、その他サッシメーカー向け製品)などと呼ばれる種類の錠前なのですが、「カギやツマミを45度だけ回すと、カンヌキが途中まで出たりすることで、枠側の特殊な受け金具に引っ掛かり、扉が少しだけしか開かなくなる」という機能が組み込まれた物です。
一般的な玄関ドアに付いている「ドアガード」と呼ばれるような、U字の金具を枠側の突起にひっかけることで、少ししかドアを開けられなくする防犯設備を錠前に組み込んだような製品として一時期爆発的に戸建住宅の玄関に採用されていました。
この「45度だけ回す」という部分が厄介で、人の手で回す分には特に問題が無いのですが、スマートロックや電子錠のように「モーターの力で」回す場合、45度のところを乗り越えるところで余計な負荷が掛かり、正常に動作することが出来ません。
上記を理由として、多くの電子錠やスマートロックの製品ページには、「サムターンやカギを45度回して機能が切り替わるような錠前には対応していません」(要約)という注意書きがあったり、対応錠前の中にGAFやGGが含まれていないなど、何らかの表現で対応していないことが示されています。
「ガードアーム錠」が付いている場合は諦めるしかない?

ガードアーム錠が付いている場合、そのままでは構造的に設置が出来ても、正しく動作しません。
(MIWA GAFの場合、構造的には「LSP向け」の商品が取付可能です)
サッシメーカーがオプションとしてガードアーム錠を動かすことが出来る電子錠を発売していますが、それらの製品はガードアーム錠の特性に合わせてパワーの強い大きめのモーターなどを搭載しています。
現在主流の各メーカーの電動サムターンタイプ電子錠は、汎用性を持たせたり、いろいろな機能を制御する電子基板や電源となる乾電池を搭載しつつサイズを抑える為、あまり大きなモーターは搭載出来ないような構造になっていることが多く、最初から専用に設計されている製品とは同様に考えるのは難しいと言えます。
では、ガードアーム錠が使われている場合、電子錠などの設置は諦めるしかないのでしょうか?
実は、諦めないで済む方法があります!
ただ、DIYでは解決できない方法になるので、当店のようなカギの専門店にご相談ください。
当店では、原状復帰(元の部品で隠れる部分に加工を行います)することも可能にしたまま、電動サムターンタイプの電子錠やスマートロック対応にする方法をご用意しています。
詳しくはお気軽にご相談ください!
「モーターユニットが組み込まれたツマミ」とは?

「モーターユニットが組み込まれたツマミ」とは、これまでにも登場している「電動サムターン」のことです。
まず、カギ部品の名称として、室内側のツマミは「サムターン」と呼びます。
このサムターンにモーターを組み合わせて電気的に自動で回るようにしている物が「電動サムターン」です。
電気的に動くようになると何ができるのかというと、暗証番号やスマートキーなどのデジタルな仕組みと組み合わせて制御できたり、リビングなど離れた場所から解錠操作をすることが出来るようにできるなど、利便性を向上させることが出来ます。
美和ロックのPIACKやDTRS、GOALのArc FACE HOME、ClavisのTebra cell、EPICのFlassa 1Jなどもこの「電動サムターン」タイプに属する電子錠です。
「モーターユニットが組み込まれたツマミ」は何がネックになる?

モーターが組み込まれたツマミに上から被せて設置するような「スマートロック」を設置しようとした場合、何がネックになるのでしょうか?
モーターは電気を供給すると、軸の部分が自動で回る装置ですが、軸を自分の手で回すと逆に電気を発電します。
この時に内部で抵抗があり、軸を回すには少し負荷が掛かります。
少し前までの自転車のライトを思い出してもらうと、暗くなってライトを使おうとすると、漕ぐのに力が必要だったと思います。
あれも、モーター(ダイナモ)を回すことに負荷が掛かる為に漕ぐのが重くなっていたのです。
このような事が、モーターが入ったサムターンでも少なからず発生する場合があります。

スマートロックは、ツマミを回す際に余計な負荷が掛からない状態である必要があります。
モーターが組み込まれているツマミに被せて設置しようとした場合、アナログのツマミを回すモーターのパワーよりも力がが必要になり、上手く動作しない可能性もあります。
錠前の種類によっては、そのような場合に備えて不要になるモーターユニットが入ったツマミを標準のアナログなツマミに変更することが可能な場合もあります!
モーターユニットを取り外して残る開口を塞いだりする必要もある場合がありますので、DIYでは難しい作業となります。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。
「錠前の経年劣化」もチェックしましょう
ツマミの動作を重くするのは、モーターの存在だけではありません。
ドアの中に挿入されているユニット「錠前」が経年劣化していないか、も重要なポイントです。
カンヌキを出し入れする為に、内部には様々な歯車やバネなどの部品が使われています。
新品の時には内部にグリスが塗布されていますが、長年使ううちにグリスも劣化し、部品も摩耗していきます。
経年劣化で錠前の動きが悪くなっていると、せっかく設置する電子錠やスマートロックにも悪影響が出ます。
万全を期すのであれば、電子錠などの導入に合せて錠前も新品に更新することをお勧めします。
「電気錠」にスマートロックを組み合わせたい場合も要注意!

電気錠のシステムが壊れた時や、遠隔地からの操作を行いたくなった際に、電気錠システムを新品に置き換えたりするのではなく、スマートロックを設置することで解決しようとする方法を見かけることがあります。
その場合にも、前出のような「モーターを回す際の負荷」に注意が必要です。
マンションエントランスなどでよく使われている「モーター式電気錠」(美和ロック AL4MやGOAL EM)のような電気錠は、その名の通り内部にモーターが組み込まれており、その動作で電気的に施解錠が行われています。
その為、モーター錠にスマートロックをそのまま設置すると、ツマミを回すのに仕様以上の負荷が掛かる為、上手く動作しなかったり、もし動作したとしてもあっという間に電池が消耗してしまいます。
壊れた電気錠の代わりにスマートロックを使いたい場合は、そのまま取付するのではなく、標準的な錠前に置き換えた上でスマートロックを設置するのがマストです。
錠前の機種変更についても、プロの業者に依頼することで、大きな加工なしで交換する方法もあります。
そのような場合も当店へお気軽にお問い合わせください。








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