どんな時に断られる?錠前取扱業者が教える「合カギを作るときのポイント」【住宅のカギ編】

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「新居のカギが足りない」、「子供が成長したので渡すことにした」、「カギを落としてしまった…」などなど、合カギが必要になるシーンは様々。
今回は、錠前取扱業者の目線で住宅用の合鍵作成時にチェックしておきたいポイントを解説します!

そもそも「合鍵」とは?

合鍵(あいかぎ)とは、基本的に「元カギ(純正キー)から複製(コピー)して作ったカギ」のことを指します。
なぞるようにコピーして作成するので、一般的な作成方法では目に見えないレベルで純正キーより精度の落ちたカギが出来上がります。
鍵業者は、ギザギザやくぼみの加工がされていない合鍵作成用の材料(ブランクキー、キーブランク)を用意しており、お客様が持ち込んだカギに合わせて材料を選び、専用マシンで加工しています。

最近では、コンピュータ制御による加工で、純正キーとほぼ同程度の精度で合鍵を作製できる場合もあります。
キーホームサービス アオキでは、ディンプルキー(くぼみになっているタイプ)専用の高性能コンピュータマシンを導入しており、純正キーと同程度の精度の合鍵を短時間で作成可能です。

「マスターキー」ってどんなカギ??

合カギ作成でご来店のお客様が、「元カギ(純正キー)」のことを「マスターキー」と仰られることがよくあります。
実は、「マスターキー」は、本来はカギ用語として「マスターキーシステムを構築した複数のカギ穴をすべて施解錠出来るカギ」のことです。(他にも「グランドマスターキー」などもあります)
マスターキーシステムは、学校施設や商業施設、賃貸物件、分譲マンションの管理用などでよく使われているカギの仕組みです。
設計計画の段階などで、マスターキーシステムの構築を行う必要があり、後からマスターキーを追加することは出来ません。

本来の意味での「マスターキー」は、原則として店頭で複製することは出来ません。
様々な場所を1本で開けられるカギが簡単に増えてしまっては良くないからです。
マスターキーの追加が必要な時は、念書などを添えてメーカーへ発注することで増やすことが出来ます。
マスターキーの追加が必要になった場合も、当店へお気軽にお問い合わせください。

また、現在マスターキーシステムが構築されていない物件へのシステム導入や、マスターキーシステムの更新が必要になった場合も当店へご相談ください。
お客様の運用イメージに沿った最適なプランをご提案いたします。

合カギ作成を断られる理由は?

「合カギ作成NG」の代表的な理由
  • 持ち込まれたカギが「合カギ」だった場合
  • メーカーが、店舗での合カギ作成を出来ないようにしている場合
  • 合カギ作成用の材料が発売されていない場合
  • 特殊な形状の為、合カギ用の機材で加工ができない場合
  • 複雑なカギを複製するスキルを持ったスタッフが不在

持ち込まれたカギが「合カギ」だった場合

合カギは先述の通り、なぞる様にコピーして作成していますので、コピーを繰り返す度に複製元のカギよりも精度が落ちた物になっていきます。

書類をコピーしたものを、さらにコピーして、またコピーして…と繰り返すうちに、読めない状態になっていく事と同じようなことが、カギの複製でも発生します。
合カギ作成でこのような事を行うと、作ったカギが回らない(使えない)物になってしまうばかりか、最悪の場合は鍵穴から抜けないようなトラブルに繋がることもあります。
また、回ったとしても精度の悪いカギを使い続けると、カギ穴側も悪くなってしまう場合もあります。

持ち込まれたカギが合カギだった場合、そのカギの精度がどの程度かをカギから判別することは非常に難しく、次にコピーした場合にどうなるかは、熟練のカギ職人ですら正確にはわかりません。

このような事態を回避するために、「合カギから合カギを作成すること」をお断りする場合が多くなっています。
ただし、お客様のご了承のもと合カギから複製を行う場合もあります。

自分の持っているカギが「合カギ」かどうか見分ける方法は?

ご自身でお持ちのカギが元カギなのか、合カギなのかを見分ける方法は、「カギのアタマ部分に錠前メーカーの名前が入っているかどうかを確認すること」です。

参考画像では美和ロックの「MIWA」と名前が入っています。
他にも、「GOAL」、「(USIN)SHOWA」、「WEST」、「ALPHA」などの記載も錠前メーカーの名前です。

一方、「GSS」、「GTS」、「TLH」、「JV」などの記載は、錠前メーカーではなく「合鍵材料メーカー(ブランド)」の名前です。

カギに書かれている名前が、錠前メーカーなのか、材料メーカーなのかがわかりにくい場合は、カギ穴周辺や錠前(扉に設置されているかんぬきが出るユニット)に記載・刻印されている名前と同じかどうかを確認するのがわかりやすいです。

不動産会社さんなどから「元カギです」と渡されていたとしても、材料メーカーの名前が入っている場合は、メーカー純正キーではないのでご注意ください。
実際に、合カギ作成でご来店のお客様の中には、「これが元カギだと言われて渡されたから、これしか手元にない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
不動産会社さんが勘違いしている場合や、物件オーナーさんの意向で純正キーを渡さないようにしている場合なども考えられますので、気になる方は一度担当者へ確認してみると良いでしょう。

お持ちのカギが合カギかどうかわからない場合などは、当店のLINE公式アカウントへ画像をお送りいただければ、判断のお手伝いが可能です。
お気軽にお問い合わせください。

「元カギ」は持つべき方のもとへ

当店へカギのトラブルでご相談に来られたお客様にカギ事情をお伺いしていると、元カギと合カギの判別が出来ておらず、「お子様に元カギを渡して紛失してしまい、保護者の方は合カギしか持っていない」というような事例や、「従業員に元カギを渡しており、オーナーや責任者は合鍵を保管していた」というような事例もありました。

前項でも紹介したように、元カギと合鍵は簡単に判別する方法があります。
一度ご自宅やオフィスなどのカギをひと通りチェックし、保護者や責任者用、保管用に元カギが割り当てられているかどうか再確認することを強くお勧めします!
持つべき方のもとに「元カギ」があることが、鍵の紛失や、複製の際に不要なトラブルを避けることにも繋がります。

メーカーが、店舗での合カギ作成を出来ないようにしている場合

一部のカギのように、ユーザーカードの仕組みを導入していたりすると、店舗で複製できない場合がほとんどです。
追加でカギが必要になった場合は、鍵業者からメーカーへ純正キーを発注することになります。
ただし、KABA Star plusなどは、ユーザーがメーカーへ利用者登録を行い、登録者からメーカーへ直接注文するしかない仕組みになっています。

また、ユーザーカードなどが無くても、メーカーが特許を取得しており、合鍵用の材料を作成することに対してプロテクトを行っている場合もあります。
そうなると、合カギ作成が出来ない為、必然的に純正キーを発注することになります。

他にも、KABA Aceなどのように、合鍵作成を行える店舗を認定制にしている種類もあります。
認定店以外に合鍵作成を依頼しても、材料などが手配できず断られることになります。

キーホームサービス アオキは、KABA Ace認定店になっており、合鍵の作製が可能です。
それ以外の純正キーの取り寄せについても承っております。
お気軽にお申し付けください。

合カギ作成用の材料が発売されていない場合

この記事内で触れてきている通り、合鍵作成には専用の材料が必要になります。
日本製の錠前メーカーのカギや、国産自動車、国産バイクなどについては、需要がある為に鍵業者向け商材のメーカーなどが合鍵用の材料を各種製造・販売しています。
ベンツやBMW、フォードなどの海外メーカーの自動車キーなども需要があるため材料が販売されています。

ところが、中国製の南京錠やロッカー錠など、海外製の安価なカギになると、あまりにもたくさんの種類や形違いがあり、材料が販売されていない場合がほとんどです。
そうなると、残念ながら合鍵は作ることが出来ません。

中には、専用の材料は製造されていなくても、他メーカー用の材料が適合する場合もありますが、非常にレアケースで、そこまで調べて対応してもらえるかは業者次第…ということになります。

キーホームサービス アオキでは、珍しいカギでも可能な限りマッチする材料をお探しして対応できるように心掛けています。
「このカギって作れるの?」という場合でもお気軽にお問い合わせください。

特殊な形状の為、合カギ用の機材で加工ができない場合

Clavisのカギのように、スティック状になっているなど、特殊な形状をしているカギは、合カギ複製用のマシンで加工することが出来ず、複製の手段がありません。
これに関しては、コンピュータマシンを導入しているような場合でも同じです。

合カギが作れない場合は、メーカーへ発注することになります。

また、形状の問題だけでなく、持ち手部分に非接触解錠用のチップが埋め込まれているカギの場合は、カギ部分の複製が出来たとしても同じように非接触で使うことはできません。

元カギと同じように「タッチしてエントランスの自動ドアを開ける」というような使い方を希望される場合は、メーカーからチップを含めて純正キーを取り寄せる必要があります。
加えて、エントランスのリーダーなどへ新しいカギを登録する作業も必要になる場合もあります。

キーホームサービス アオキでは、カギの登録作業も含めた対応を承っております。
Clavisなど、マンションエントランスでの非接触解錠システムなどが導入されている物件でお困りの方もお気軽にご相談ください。

複雑なカギを複製するスキルを持ったスタッフが不在

ディンプルキーなどの複雑なカギを複製する場合は、熟練の技術が必要になります。
ギザギザになっている標準鍵タイプに比べて難易度が高く、技術者が不在の際に断られてしまったり、翌日まで預かることを提案されてしまう場合も…。

コンピュータマシンを導入している場合は、スタッフのスキルに依存することがないので、その場で対応ができることも多くなります。
キーホームサービス アオキでは、高性能なコンピュータマシンを使い、純正キーと同程度の精度でディンプルキーを複製可能。
多くのディンプルキーの複製を即日対応にてご案内いたします。

合カギ作成にかかる時間は?

合鍵作成にかかる時間は、カギの種類によって変わります。

標準鍵(ギザギザ)タイプ … およそ5分~

ディンプル(くぼみ)タイプ … およそ15分~

これらの所要時間は1本あたりの数値ですが、カギの種類や複雑さ、要求される精度によって変動します。

特に「ディンプルタイプ」の場合は、複製に熟練の技術が必要で、じっくり取り組む必要がある種類もあり、お預かりして翌日以降に完成品をお渡しする対応になる場合もあります。
ただし、店舗の設備によっては、上記の参考所要時間よりも短い時間で作成が可能になる場合もあります。

合カギ作成の費用は?

合鍵作成にかかる費用は、カギの種類によって変わります。

標準鍵(ギザギザ)タイプ … 770円~
ディンプル(くぼみ)タイプ … 2,200円~
※参考 キーホームサービス アオキ店頭価格(税込)

合鍵の作製費用については、カギの種類だけでなく、使用する材料や作成方法、地域事情などによっても変動します。
上記の価格は当店での価格ですが、実際に合鍵の作製を検討されている場合は、お近くの鍵業者やキーショップに事前確認することをお勧めします。

キーホームサービス アオキにて合鍵の作製をご検討いただいているお客様については、LINE公式アカウントからカギの写真をお送りいただくことでも費用のご案内が可能です。
お気軽にお問い合わせください。

合カギ作成を断られた場合にできることは?

  • 元カギを手に入れてから再度依頼する
  • 純正キーの取り寄せに切り替える
  • 複製以外の特殊な方法でカギを作成する

元カギを手に入れてから再度依頼する

単純な話ではありますが、「合カギ」からの複製を断られた場合は、何方かがお持ちの「元カギ」を借りて、再度合カギ作成の依頼をすることが、一番わかりやすい対策です。
前述の項目でご案内の方法で合カギと元カギを見分けてみてください。

純正キーの取り寄せに切り替える

技術的な問題などで合鍵作成を断られてしまった場合でも、元カギをお持ちであれば、そこに刻印されている鍵番号から純正キーを取り寄せることが可能な場合もあります。

取り寄せ納期や費用などは合鍵作成とは変わりますが、純正キーなので使えないかもしれないなどのリスクは一切ありません。

複製以外の特殊な方法でカギを作成する

美和ロック「U9」などの一部の鍵については、専用の機材を使うことで、コピーとは違う方法(コードカット)で合カギを作成することが可能な場合があります。
ギザギザの深さを読み取り、純正キーの深さを再現するというような作業です。
手間やスキルが必要になる為、コピーでの合カギ作成とは別の価格設定になっている場合がほとんどです。

その他に、標準鍵タイプもカットすることができるコンピュータマシンを導入している業者であれば、元カギからでなくても合カギ作成をできる場合があります。

当店では、専用マシンでU9のコードカットも承っております。
お気軽にご相談ください。

お気軽にお問合せください

種類を問わず、カギについてお悩みのお客様は、大阪市城東区のカギ屋「キーホームサービス アオキ」まで是非お気軽にご相談ください!

「LINE公式アカウント」からは、画像の送信なども含め簡単にお問合せ可能です。

電話やメールでもお問合せいただけます。

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