
「1ドア2ロック」という考え方が広まって結構な年月が経ってきているかと思います。
戸建住宅も集合住宅も、最近の新築物件では標準でカギが2個付いているのが当たり前になってきました。
そういった社会認識が変化していく中、古くから建っている物件では、標準ではカギが1つとういうところもまだまだたくさんあります。
ここ数年取り沙汰されている凶悪犯罪のニュースを受けて、カギが1つしかついていない物件のお客様から「2個目のカギ(補助錠)を設置して欲しい」というご相談が増えてきています。
自己所有されている戸建住宅では、すべての裁量は持ち主次第ですが、「区分所有」の住宅は“分譲”マンションであったとしても、新たにカギを設置したりするには許可が必要な場合がほとんどです。
また、築浅で入居時から2ロックの物件でも、電子錠などを設置しようとした場合、たとえ穴あけ加工などが不要であっても管理組合の許可が必要になることがほとんどです。
これには「集合住宅 専有部玄関ドアの外側(廊下側)面は共用部扱い」という考え方が関わってきます。
今回は、補助錠の設置や電子錠への付け替えに関わってくる「共用部」について、錠前取扱業者の視点から簡単に解説したいと思います。
専有部玄関ドアなのに「共用部」?

冒頭でも触れたように、多くの物件で「専有部玄関ドアの外側の面」=「共用部」という扱いになっています。
これは、物件の「管理規約」などを確認することでわかります。
このような条文にある、「玄関扉は、内部塗装部分を専有部とする」という表現について、「内部塗装部分ではない外側」=「専有部ではない」=「共用部」という考え方になります。
「外観が揃っている」ことで物件価値を維持する、という考え方

また、集合住宅はレバーやカギ(シリンダーや補助錠)など、扉の状況なども含めて外観が揃っていることで、物件全体の価値を高める・維持するという考え方があります。
築浅の物件ほど、こういった考え方で共用部を厳しく管理する傾向にあります。
そんな中、それぞれの部屋で好き勝手にレバーやノブ、ハンドルを変更したり、カギの色を変えたり、許可を取っていない物を取り付けたりしてしまうと、外観の統一感が無くなってしまい、物件全体で考えたときの資産価値が下がってしまう場合があります。
一概に基準はありませんが、築数十年の集合住宅では、統一性に対してはある程度緩和されている場合もあります。
ただし、大規模修繕でドアを変更した直後などは、築浅物件と同じような判断基準になっているようなこともあります。
分譲物件で部屋を購入したなら、ある程度好きにする権利があるのでは?

分譲マンションは「区分所有」という形で物件を購入し、所有していることになります。
この区分所有については、「区分所有法」によって「共用部分の変更には居住者全体(または議決権を持つ住戸の大多数)の同意が必要」だと定められており、個別の住戸だけでの改造は認められていません。
つまり、管理組合の理事会での決議や住民総会での決議を経て、レバーなどの変更や補助錠の設置、それ以外の装飾などを許可するかが決まります。
このような話し合いや許可取りを行わないまま、個別の住居だけで勝手に工事などを行ってしまうと、後々トラブルに繋がる可能性があります。
反対に、補助錠などの取り扱いなどについて、事前に対応が決まっているような場合は、話し合いなども不要で管理組合に正しく申請さえ行えば、ノブからレバーへの変更など大きく見た目が変わるような工事であっても許可が下りる場合もあります。
それ以外にも、外観をある程度揃えておく為に、補助錠の設置自体には許可がでるが、決まったメーカーの製品を決まった位置に設置することが条件になる場合などもあります。
新築時から特定の電子錠への変更の許可が盛り込まれている場合も

最近の新築分譲マンションで多く導入されている、エントランスでのハンズフリー解錠システムには、同じハンズフリーキーなどを使って専有部玄関でもハンズフリー解錠ができる電子錠が用意されています。
このような電子錠を最初から全戸に導入している物件もありますが、多くの物件は物件契約時の「オプション扱い」となっています。
その場合、「物件契約時には申し込まなかったが後から欲しくなった」、「オプションの申込み期間に間に合わなかった」、「中古購入したが、売主は設置していなかった」というような場合の需要に対しても対応が可能になるように、特定の電子錠であれば特に許可取り不要で設置することが許されていることもあります。
ただし、これはあくまでも決まった品番(オプション品と同じ物)への交換が許可されているだけで、他の製品でもOKということではないことに注意が必要です。
廊下から見える部分に変更を加えたいときは管理組合へ確認するのが無難です

ここまで紹介してきたように、集合住宅にて補助錠を設置したり、電気錠を設置する場合には、専有部玄関ドアの外側の面は「共用部」に当たる為、DIYも含めて無断で工事を行うことは避け、管理組合の許可を確認するのが無難といえます。
許可を得ずに設置を行た場合、あとから撤去するように指導が入ったり、最悪の場合は現状復旧の為に自己負担で新品のドアへ戻すように注意を受ける可能性もあります。
管理組合の許可が下りるかどうかについては、物件の他の部屋で補助錠が設置されていたり、ノブからレバーへ変更されていたりなど、ご自身が希望している作業を行っているところがあるかをチェックしてみることも参考になります。
そうとは言っても、その部屋については特別な事情があって特例扱いになっている場合もあるので、他の部屋が出来ているから絶対に同じように許可が下りるとは言えないことにも注意が必要です。








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